葬儀には、一般葬や社葬(企業全体で葬儀を執り行なう)、宗派にこだわらない無宗教葬などがあります。さらに、近年では家族単位で葬儀を執り行なう家族葬も、新しい葬儀スタイルとして定着しつつあります。
さまざまな葬儀のカタチがあるなかで、葬儀マナーは注意しておきたいポイントですよね。故人とお別れする最後の時間ですので、相手への配慮を踏まえたうえで心おきなくお別れを済ませたいものです。
家族葬の場合
家族葬は基本的に一般的な葬儀と変わりません。まずは葬儀社へ連絡し故人の臨終の意を伝え、葬儀準備を開始します。
法律により24時間は遺体を安置しなければなりません。24時間後、故人を死装束に着替えさせ、葬儀社が用意した棺へ納棺します。お通夜・告別式などを終えた後、火葬場へご遺体を搬送し、火葬を行ないます。
家族葬では葬儀時間を短縮するため、お通夜から初七日までの儀式を繰り上げる法要もあります。
服装(家族葬)
家族葬で使用する服装は、一般に行なわれる葬儀と同様に喪服を着用します。喪服は故人の死を悼むことを意味するため、どの葬儀であっても喪服を着用することが基本です。
しかし、家族葬では「喪主と参列者を区別しない」という考えもあるため、時には準礼装でも問題ないといわれています。その場合、ブラックをベースにしたビジネススーツの着用でも差し障りありません。
家族葬を執り行なう旨を連絡する場合、礼服でも問題はないとハッキリと伝わるよう書面に記載しておきましょう。
社葬の場合
会社が行うお葬式のスタイルとして定着しているのが、社葬です。
社内外を問わず幅広く参列者を集め、ご遺族と共に故人を哀悼する式であると共に、今後の仕事も宜しくお願いしますという挨拶を兼ね備えたタイプの葬儀方法として、取り組む企業が多いでしょう。
社葬の場合は、企業側が全額、または半額葬儀費用を持ち、会社の重要人物が亡くなったことなどを、世に知らしめていきます。
会社で行われる事もあれば、社葬用の葬儀場で行われる事もありますので、会社によってやり方が異なるといえるでしょう。
社葬の場合は通常の葬儀とは異なり、葬儀の失敗は、イコール会社の失敗になります。
こうした冠婚葬祭の重要な場面で失敗をしている企業は大丈夫なのかと思われ、信頼が失墜する可能性も高いため、緊張感を持って臨むことが大切です。
社葬の場合は事前に、社内で葬儀に関する重要事項、マナーなどを再確認して、葬儀に臨むという所も多いでしょう。
失敗が許されない葬儀であるので、プロに相談しながらとりおこなうことが必須になります。
服装(社葬)
男性の場合は、基本的な服装として上下の黒色のスーツに、白ワイシャツとネクタイを着用します。スーツは上下を揃えるように気を付けましょう。
企業によっては当日の服装としてモーニングスーツを着るという場合もありますので、事前に社葬のお知らせなどをよく確認して準備することが大切です。
女性の場合、基本的な服装としては、黒色あるいは紺色ののスーツもしくはワンピースを着用します。
この際、袖は長いものを、スカートは裾がある程度長めのもの(膝が隠れる程度)を着るように心がけることが大切です。
葬儀のマナーは特に気をつける
葬儀はそう頻繁に経験できるものではありません。ですので、葬儀に関する知識を学ぶ機会は少ないため、マナー違反を起こす可能性は十分にあります。
そのため、遺族側が心おきなく故人とお別れできるよう、葬儀のマナーは特に気をつけましょう。
もし家族葬が執り行なわれる連絡をもらった場合は、「遺族側に迷惑をかけないこと」「自分の気持ちをお伝えする」気持ちを念頭に置き、残された遺族がスムーズに葬儀をできるよう配慮しましょう。
家族葬についてはネットでたくさんの情報が得られますし、判断しづらい場合は遺族側に聞くことも大切です。