日本人には欠かせないものだった和歌
日本の文化を形作り、日本人の心の根底となっているものはたくさんありますが、その一つに和歌があります。
現在では和歌を詠むという人はかなり少なくなっていますが、昔は和歌を詠むというのは、日常生活にかなり密着したものだったからです。
高尚な趣味と言うよりは、毎日の生活の中で、自分の心を表現するための手段として普通のものでした。
たとえば、異性に自分の想いを伝えるために和歌を詠むというのは当然のことで、その出来に応じて相手が応えてくれるということもありました。
時代と階層によっては、和歌を詠めないと恋愛もままならなかったのが日本なのです。
また、辞世の句を詠んでいたように、自分の人生を表現するという大きな場面でも和歌は欠かせないもので、人生の節目節目で和歌というのは非常に重要な役割を果たしてきました。
このように、和歌は単なる趣味というだけではなく、日本人の心の根底にあるものを思い出させてくれるとても重要な手段でもあります。
そのため、和歌を学び、セカンドライフの趣味の一つとすることによって、人生を充実させ、日本人としての感性を磨くことができるようになります。
三十一文字の中に心を込める
和歌は、三十一文字、5・7・5・7・7の中に自分の気持ちを込めて表現するという、とても高度な詩です。
いかに日本語に通じている日本人であっても、この短い文章の中に、いろいろな気持ちを表現するというのは難しいことで、初めて行う人には技術習得が求められます。
そのため、和歌をセカンドライフに始めたいというのであれば、独学でも良いのですが、できるだけ和歌の先生の元に通って、基本的なことから教わるのがベストです。
俳句のようには短くなく、季語も必要としませんので一般的には自由度が高いとされていますが、実際にやってみると悩むばかりでなかなかいい歌が出てきません。
また、うまくまとめることができたとしても、どのようにしたら美しく、自分の心を巧みに表現した歌とできるのかは、やはりプロの指導がないと難しいものです。
歌会などに参加する楽しみもある
和歌の作り方にも慣れて、自分の心を思うように表現できるようになれば、歌会に参加するという楽しみもあります。
いろいろなところで和歌愛好家が集まって、料理を楽しみながらそれぞれ和歌を詠んで時間を過ごすという会が開かれています。
自分の歌を披露する場ともなりますし、仲間との交流を楽しむ時間ともなってセカンドライフを充実させるのに役立ちます。
日本人ならではの老後の楽しみですので、和歌をたしなむという趣味を始めてみるのも楽しくて良いでしょう。
和心を磨いて感性を高めるのにも役立ちます。